公開日: 2026.09.29 最終更新日: 2026.09.29

【高知県梼原町】雲の上の町で叶える、豊かで新しい暮らし。移住者が語るリアルな日常と魅力

【高知県梼原町】雲の上の町で叶える、豊かで新しい暮らし。移住者が語るリアルな日常と魅力

高知県梼原町に移住した尾森さんご家族(写真左)と高見さんご家族(写真右)。梼原町の魅力と移住してからの住み心地をインタビュー

日本の四国、高知県の西部に位置する梼原(ゆすはら)町。町面積の約91%を森林が占め、標高1455mにもなる雄大な四国カルストに囲まれたこの場所は「雲の上の町」として知られています。四国カルストの澄んだ風や四万十川源流の清流、そして建築家・隈研吾氏が手がけた木造建築群が調和する、自然と文化が息づく町です。近年、都市部の喧騒から離れ、自然と共に生きる豊かな暮らしを求めて梼原町へ移住する人が増えています。この記事では、梼原町の魅力や生活環境の魅力とともに、2組の移住者ファミリーが語るリアルな暮らしをご紹介します。

編集部:マドリーム

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01| 高知県梼原町ってどんな町? 魅力を解説

都会では考えられない豊かな自然

愛媛県と高知県の県境に広がる四国カルスト。白い岩肌の石灰岩が点在する大草原は、ドライブスポットとしても人気 愛媛県と高知県の県境に広がる四国カルスト。白い岩肌の石灰岩が点在する大草原は、ドライブスポットとしても人気

高知県の西部に位置する「雲の上の町」梼原町。標高200〜1,455mの雄大な山々囲まれ、町全体の約91%を森林が占める、緑豊かな山間の町です。人口は2,949人(2026年8月末現在のデータ)。四国カルストのふもとに広がり、標高が高いため夏は比較的過ごしやすく、冬は雪景色が広がります。年間を通して温暖な気候とされる高知ですが、梼原町は四季の変化をダイレクトに感じられる気候が特徴です。四万十川最大の支流である梼原川が町を流れ、夏になれば、透明度が高い川で子どもたちが遊びます。町の中心部には電柱や電線がなく、雲の上の町らしい、すっきりと美しい景観が広がっています。

町の中心部を流れる梼原川。夏になれば、子どもたちが水遊びをする風景が見られます 町の中心部を流れる梼原川。夏になれば、子どもたちが水遊びをする風景が見られます

梼原で出会う、隈研吾氏の建築

町面積の約91%が森林という、豊かな森の恵みは町づくりにも活かされています。町のシンボルである「梼原町総合庁舎」や「雲の上の図書館」、「まちの駅『ゆすはら』」、「雲の上のギャラリー」など、地元の木材をふんだんに使用したスタイリッシュな建築の数々が町内に点在しています。これらは国立競技場を設計したことでも知られる、世界的な建築家・隈研吾氏と隈研吾氏が率いる隈研吾建築都市設計事務所が設計を担当しており、町全体がひとつのミュージアムにもなっています。

「雲の上のギャラリー」。刎橋(はねばし)という架橋形式で建てられ、釘を使わず立体的に組み上げられた斗栱(ときょう)という構造になっています 「雲の上のギャラリー」。刎橋(はねばし)という架橋形式で建てられ、釘を使わず立体的に組み上げられた斗栱(ときょう)という構造になっています

橋を下から見ると、美しい編み目模様を眺められます 橋を下から見ると、美しい編み目模様を眺められます

「雲の上の図書館」には、休日になると町内外の多くの人が訪れます。館内には多くの蔵書はもちろん、ボルダリング設備やカフェがあり、知識を得るだけではなく、様々な世代の人々が集まり交流をする場所にもなっています。図書館は「梼原こども園」の目の前にあり、芝生を超えれば直接図書館へ行ける距離。こども園帰りの子どもたちが図書館へ走って、本を読んだり友達と遊んだりする光景が日常的に見られます。

梼原町のシンボル的な存在のひとつ「雲の上の図書館」。片流れ屋根がスタイリッシュな印象 梼原町のシンボル的な存在のひとつ「雲の上の図書館」。片流れ屋根がスタイリッシュな印象

図書館の館内。木の感触を楽しめるよう、靴を脱いで入館します 図書館の館内。木の感触を楽しめるよう、靴を脱いで入館します

町のいたる所で子どもたちの笑顔に出会える

梼原町では、認定こども園から小学校・中学校そして梼原高校へとつながる、18年間にわたる一貫教育を町全体で推進しています。小学校から中学校は一貫教育校となっており、9年間同じ仲間と同じ施設で過ごすことができ、成長段階の子どもたちにとって安心できる環境。小さな町だからこそできる、町全体での子育てが実現しています。

学校はもちろん、川や図書館など、至る所で子どもたちが元気に遊ぶ声が聞こえる。のびのびと子育てをしたい人にとって、とても魅力がある町といえます。

02| 誕生の瞬間から始まる、町独自の支援制度

梼原町では、誕生から高校卒業までは「子ども支援」、65歳までは「働き盛り支援」、以降は「高齢者支援」として、様々な支援制度が整えられています。それぞれの支援の例を紹介します。

  • 子ども支援
    ・保育料が無料
    ・子ども園・小学校・中学校の給食費が無料
    ・0歳~15歳(中学卒業)まで、医療費が無料
    ・梼原学園の制服費を助成(5・6年生対象/1着のみ)
    ・通学手段の確保(バス・タクシー)
    ・中学校卒業祝い金(30,000円/人)
    ・奨学資金貸付事業(看護師等養成施設 30,000円~80,000円/月 ※卒業後、梼原町でその職 につき、学資貸与期間の1.5倍の期間勤務した場合は、全額免除)
    ・誕生祝福金:生まれた子ども1人につき、以下の金額が贈られます
     生まれたとき:2万円
     1才になったとき:2万円
     2才になったとき:2万円
    ・学校で使用する木造机いすの贈呈(1~6年生まで使用) など
  • 働き盛り支援
    ・若者定住住宅整備補助金 ※40歳未満対象(町産材利用で新築の場合:100万円を助成、増改築の場合:20万円~200万円の事業費の50%を助成)
    ・町産材活用促進事業補助金(町産材利用で新築の場合:200万円を上限に助成)
    ・結婚祝福金(商工会商品券50,000円/組) など
  • 高齢者支援
    ・雲の上のいきいきチケット(タクシー・バスチケット14,000円分助成)
    ・長寿祝福金 (米寿50,000円、白寿100,000円) 
    ・在宅生活おうえん事業(福祉用具の購入:30,000円✕90%、住宅の改修: 70,000円✕90%を助成、おうえんチケット:ショートステイ、デイ利用・月5日分まで基本料金助成)など

ほかにも、様々な支援制度が用意されています。詳しくは梼原町公式サイトをご確認ください。

03| 移住者の声 —尾森さん家族の場合—

ここからは、梼原町の魅力に触れて移住を実行した、2つのご家族のインタビューを紹介します。最初にご紹介するのは、移住9年目の尾森さんご家族。北海道出身の昇兵さんと、静岡県出身で高知市内で暮らしていた沢智さんご夫婦が梼原町に移住してきたのは2017年のこと。現在は2人で無農薬での農業を営んでいます。梼原は“生きやすい場所”と言う沢智さんと、北海道という北国から南国・高知に移住した昇兵さんに、梼原での子育て環境や、地域の皆さんとの関わりについてお聞きしました。

「梼原は、住みやすくはない。生きやすい場所です」

尾森さんご家族。写真上段左から沢智さん、昇兵さん。下段左から和音ちゃん、晴野ちゃん 尾森さんご家族。写真上段左から沢智さん、昇兵さん。下段左から和音ちゃん、晴野ちゃん

——移住のきっかけを教えてください

畑での作業風景 畑での作業風景

昇兵さん「1年を通して農業ができる場所を探していました。色々な場所を旅する中で梼原町にやってきて、彼女(沢智さん)と来てみて、『ここ、良い所だな』と思い、移住を決意しました」

ハウスでの作業風景。夏になるとハウス内の気温は40度を軽く超えるそう ハウスでの作業風景。夏になるとハウス内の気温は40度を軽く超えるそう

沢智さん「ここで一生過ごすぞという強い気込みというよりは、移住して、気づけばもう10年経っていたという感覚ですね。現在は農業法人として、完全夫婦2人で畑をやっています。農園は「雲の上ガーデン」と名付けていて、年間80種類ほどの野菜とハーブを栽培しています。現在は、野菜のセットをメインで販売しています」

梼原の自然の恵みをうけた野菜がすくすくと育ちます 梼原の自然の恵みをうけた野菜がすくすくと育ちます

——移住してみていかがですか?

毎日ほぼ同じ時間に仕事を終えるという昇兵さん。仕事の後は家でゆっくりと過ごしたり、子どもたちと遊んだり、静かに過ごしているそうです 毎日ほぼ同じ時間に仕事を終えるという昇兵さん。仕事の後は家でゆっくりと過ごしたり、子どもたちと遊んだり、静かに過ごしているそうです

昇兵さん「住み心地は、すごく良いです」

沢智さん「梼原町には、山も森もいっぱいあります。人と人の距離もほど良く、私たちの家の周りには他の家がないため、広々と使えています。そういう意味では、暮らしやすいなと思います。梼原は住みやすいですか? と聞かれることがあるんですが、住みやすくないと思っています。住みやすいというより、生きやすい町だと思います」

尾森さんのご自宅。家の周囲には自然がいっぱい。近隣を気にする必要もなく、のびやかに子育てを楽しめる環境です
尾森さんのご自宅。家の周囲には自然がいっぱい。近隣を気にする必要もなく、のびやかに子育てを楽しめる環境です

山から引いた水を屋根に流しているため、真夏でも室温が下がり、過ごしやすくなっています 山から引いた水を屋根に流しているため、真夏でも室温が下がり、過ごしやすくなっています

——困ったことなどはありますか?

昇兵さん「家の造りが(出身地の)北海道と違うので、寒いですね(笑)」

沢智さん「冬に雪が降ると、除雪車が来ないと町に下りられなくなります。3日ほど降ったら、車が2台とも下りられないことも(笑)。そういう時は諦めて家で過ごしています」

——子育て環境はいかがですか?

家の中につくったブランコで遊ぶ晴野ちゃん。仕事が終わった後は、昇兵さんとお子さんたちの大切な遊び時間です 家の中につくったブランコで遊ぶ晴野ちゃん。仕事が終わった後は、昇兵さんとお子さんたちの大切な遊び時間です

沢智さん「子育て支援に関しては、とても手厚いです。保育園も無償ですし、子どもに対する手当てがたくさんあります。梼原町では、子どもは生まれてからずっと同じクラスなので、お互いの成長を見守って過ごします。すごく和気あいあいとしていて、平和な雰囲気があります。先生たちも、一人ひとりの子どもをずっと見ていて性格を理解してくれて、良い所を伸ばそうとしてくれるので、安心感があります」

晴野ちゃんは川で水遊びをするのが大好き 晴野ちゃんは川で水遊びをするのが大好き

清らかな梼原川。時折魚が泳いでいるのも見えます 清らかな梼原川。時折魚が泳いでいるのも見えます

お昼ご飯の手伝いをする和音ちゃん お昼ご飯の手伝いをする和音ちゃん

——地域の方とのかかわりはいかがですか?

「まちの駅ゆすはら」にて、野菜を納品中 「まちの駅ゆすはら」にて、野菜を納品中

納品された新鮮な野菜たち 納品された新鮮な野菜たち

沢智さん「我が家は、最初から歓迎してもらえている空気があり、地域の方々からとても良くしてもらっています。今では野菜の種をまく時期を聞いたり、いろんなことで地域の人々を頼っています」

昇兵さん「新鮮な魚のおすそ分けをいただいたり、皆さんから可愛がられているなと感じています」

梼原町内に点在する「茶堂」と呼ばれる茅葺きの小屋。地区の住民たちが順番でお茶やお菓子を準備します 梼原町内に点在する「茶堂」と呼ばれる茅葺きの小屋。地区の住民たちが順番でお茶やお菓子を準備します

沢智さん「この家に住み始めた時、『誰か一つでもあかりを灯してくれたら嬉しい』って言ってもらえました。だから、基本的には、住んでいるだけで歓迎してもらえて、住んでいるだけで良い、と受け止めてもらっている感じがあります。近所の人たちが大好きです。すぐに名前が思い浮かぶ人たちと、一緒にここで生きていきたいなと思っています」

04| 移住者の声—高見さん家族の場合—

続いてご紹介するのは、2025年に東京都から移住した高見さんのご家族。フルテレワークで企業のデザイナーとして働く美希さんと、大学教員・フリーランスのデザイナー・大学院生という3つの顔を持つ真平さんご夫婦と、2人の娘さんが移住したきっかけは「雲の上の図書館」でした。

「図書館に行った娘が、『お父さん、私ここに住みたい』って言いました」

高見さんご家族。写真上段左から美希さん、真平さん。下段左から詩子ちゃん、琴子さん 高見さんご家族。写真上段左から美希さん、真平さん。下段左から詩子ちゃん、琴子さん

——移住のきっかけを教えてください

真平さん「家族でアンパンマンミュージアムに観光に来た際に、時間が余ってGoogleマップを開いた時、「雲の上の図書館」を見つけたのが始まりです。実際に訪れるとすごく良い図書館で、上の娘が「お父さん、私ここに住みたい!」と言い出して。それから4~5年くらい準備を整えて、2025年に移住しました」

琴子さんが気に入ったという「雲の上の図書館」の内観。梼原産の木材がふんだんに使われています 琴子さんが気に入ったという「雲の上の図書館」の内観。梼原産の木材がふんだんに使われています

約6万冊の蔵書は「いろは」順に分類された48ジャンルの本棚が並んでいます 約6万冊の蔵書は「いろは」順に分類された48ジャンルの本棚が並んでいます

「雲の上の図書館」の1階では、親子で絵本を読むことはもちろん、寝そべったりしてもOK。思い思いのスタイルでのんびりと過ごせる場所です 「雲の上の図書館」の1階では、親子で絵本を読むことはもちろん、寝そべったりしてもOK。思い思いのスタイルでのんびりと過ごせる場所です

美希さん「夫も上の娘も、やったことがない方向へ行ってみようというタイプなので、私も仕事などの調整をして、行ってみようかと思いました。移住相談の際もとても親身になってくださり、移住後の住宅もすべて準備されている状態で引っ越してこられるというのが大きな魅力でした。愛犬が一緒に住める物件を探して準備してくださったことも後押しになりました」

家族のくつろぎ時間。ペット可の物件は貴重だそう 家族のくつろぎ時間。ペット可の物件は貴重だそう

——仕事探しの心配はありませんでしたか?

美希さん「私は企業のデザイナーとして勤務しています。すべての仕事がオンライン上で完結するため、東京の仕事をそのまま持ってきてフルテレワークで働いています」

真平さん「東京の大学教員の仕事をしつつ、フリーランスのデザイナーとしての仕事もできています。さらに高知大学の大学院生としても学びの時間を設けることも実現できました」

美希さんはフルテレワークでの勤務のため、「雲の上の図書館」でも仕事が可能です 美希さんはフルテレワークでの勤務のため、「雲の上の図書館」でも仕事が可能です

お仕事部屋の様子。家族が一列に並んで仕事や勉強ができます お仕事部屋の様子。家族が一列に並んで仕事や勉強ができます

——実際に住んでみていかがですか?

家の裏の草刈り。蜂除けのため、フル装備で挑む美希さん 家の裏の草刈り。蜂除けのため、フル装備で挑む美希さん

美希さん「観光客の方はある程度いらっしゃいますが、東京にいた頃の満員電車や、公園もぎゅうぎゅう詰めにはならないのが、すごく気に入っています。子どもたちも大きな声で歌いながら登校できるくらい伸び伸び過ごせているようです。

真平さん「ただ、草刈りが大変です。少しでも放置すると、雑草がびっくりするくらい成長します」

美希さん「日々、自然の生命力との「戦い」を楽しんでいます(笑)」

料理が得意な美希さん。手づくりのパンがおいしそう…! 料理が得意な美希さん。手づくりのパンがおいしそう…!

——琴子さん、詩子ちゃんの感想も聞かせてください

琴子さん「家の前に用水路があるんですが、妹と妹の友達が遊んでいるのを見て、いいなって思いました。東京にも図書館はたくさんあるんですが、梼原の図書館はすごく綺麗だし、楽しいです」

高見さんの自宅前の用水路。取材日にはサワガニがいました 高見さんの自宅前の用水路。取材日にはサワガニがいました

「雲の上の図書館」で読書中の琴子さん。2階には読書に集中したい人のためのスペースがあります 「雲の上の図書館」で読書中の琴子さん。2階には読書に集中したい人のためのスペースがあります

詩子ちゃん「図書館でボルダリングするのが好きです」

図書館でボルダリングを楽しむ詩子ちゃん(写真は高見さん提供) 図書館でボルダリングを楽しむ詩子ちゃん(写真は高見さん提供)

——地域の方とのかかわりはいかがですか?

真平さん「東京都の大きな違いは、地域の行事や共同作業に皆で参加することです。顔を知っている方たちばかりなので、地域の一体感を感じます」

美希さん「だんだんとお顔とお名前が一致してきて、子どもがいる家庭では、とても安心感を得られる環境です。これから先、集落の持ち回りの役割なども任されていくと思いますが、そういったことにも楽しさを見出しながらずっと住み続けていきたいです」

農作物の害虫を追い払い、五穀豊穣や無病息災を祈る「虫送り」の行事に参加(写真は高見さん提供) 農作物の害虫を追い払い、五穀豊穣や無病息災を祈る「虫送り」の行事に参加(写真は高見さん提供)

05| インタビューを詳しく見たい方は動画をチェック!

Youtubeで見たい方は下記のURLをクリック
https://www.youtube.com/watch?v=3xaPSI5SbVo

06| 梼原町への移住に興味がでてきたら、下記公式サイトへ

▼梼原町公式サイト
https://www.town.yusuhara.lg.jp/

▼しあわせ田舎移住計画「ゆすはら暮らふと」
http://www.yusuhara-iju.jp/

マドリーム

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